開発途上国におけるがんの早期診断・治療の強化を目指して(無償資金協力事業)
医療機器の調達・更新・管理支援

キューバ共和国 主要病院における医療サービス向上のための医療機材整備計画

キューバ共和国では、心疾患やがん等の非感染性疾患による死亡率は感染症を上回り、4大死因のすべてが非感染性疾患となっています。その中でもがんは、生涯がん罹患リスク23%、生涯がん死亡リスク13%及び5年再発数984人/10万人であり、中南米地域の平均(それぞれ18、10、601)よりも高い水準にあります。その理由として、人口高齢化の進展に加え、外貨不足による財政難から全国的に医療機材の不足と老朽化が著しく、がん患者への保健医療サービスの提供に支障をきたしている状況があります。
かかる状況のもとキューバ政府は、がんの早期診断・治療のシステム強化、ならびに放射線画像のデジタル化を促進することを目的とし、無償資金協力プロジェクト及び技術協力プロジェクトを日本政府に要請しました。

当社は国際協力機構(JICA)より調査を受託し、キューバにおけるがん患者への保健医療サービスの強化を目指した無償資金協力事業および技術協力プロジェクトの形成に向けて、キューバのがん対策に係る政策・制度、がんを含む疾病構造・将来的な患者需要等の調査・分析、キューバ全土の主要な35病院(最終的に34病院が対象)における医療サービス提供状況、医療機材の稼働・メンテナンス状況等の踏査・分析を行い、医療機材整備に係る無償資金協力事業の計画立案をおこないました。併せて技術協力プロジェクトの詳細計画策定調査を実施し、無償資金協力によるソフトコンポーネント(技術支援)と技術協力プロジェクトとの連携・相乗効果発現を念頭に計画立案しました。
さらに調査結果をもとに、日本政府とキューバ政府が交換公文(E/N)、JICAとキューバ政府が贈与契約(G/A)を締結したのちは、医療機材調達・据付監理、日常メンテナンス指導、メーカーによる研修・定期点検実施監理等をおこないました。


キーサクセスポイント

Key Success Point

POINT1
無償資金協力事業への理解醸成
無償資金協力事業は、相手国側の調査への協力や役割分担が必須です。キューバにとって初めての一般無償資金協力事業であったため、その複雑な仕組みやプロセスについてキューバ側の理解・合意を得て対応して頂くことが必要となりました。
アイテックの強み

調査段階では仕組みや各プロセスについて丁寧かつ事例等を交えて具体的に説明することで理解・合意を頂くことができました。実施段階においてはクライアントに密に寄り添った支援を行うことにより信頼を得て事業を完遂できました。これまで100カ国以上でプロジェクトを実施してきた当社の知識・経験が活かされたと考えております。

POINT2
広範囲を対象とした効率的な調査
対象施設はキューバ全土にわたる34カ所(調査対象は35カ所)の病院。交通インフラも十分に整備されていない国において、調査段階、実施段階で限られた期間での効率的な業務の実施が求められました。
アイテックの強み

34か所(調査対象は35カ所)を限られた期間で効率的・効果的に移動し、業務を実施するために、信頼できる現地パートナーと連携し、現地の事情に即した工程を組むことにより必要な期間内で業務を実施することができました。海外事業においては現地パートナーの存在が成功の鍵であり、世界中に幅広いネットワークを持っている当社の強みが活かされたと考えております。

POINT3
限られた条件の中でデジタル化を促進
がん診療サービスの強化とともにデジタル化の推進が目標のひとつであった本事業ですが、通信インフラやインターネットの普及が遅れているキューバにおいて、どのように実現するかが要点となりました。
アイテックの強み

調査開始当初は首都ハバナでもインターネット接続がごく限られており、地方部においては携帯電話もつながらない地域も多くある中での病院のデジタル化のためには、医療情報システムの知識に加えて、ネットワークインフラの知識も求められましたが、当社が日本において手掛けてきた医療情報システムの導入支援での知識・経験をもとに、現地事情に即した計画立案・事業実施ができ、病院のデジタル化の一助になったと考えております。


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2023年9月19日
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代表取締役社長:鈴木 裕臣


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